2011年 03月 02日
さぁ・・・大いなる冒険を始めます。 |
いらっしゃいまほ。
多分覚えてる人いないだろうなぁ・・・
えっとですね・・・
実は私・・・1年前に不特定多数の方にある小説を書く約束をいたしました・・・
本日はその小説に着手したご報告。
さて・・・その約束とはどんな内容だったでしょう・・・
というわけで・・・
本日、冒頭部分だけ公開させていただきたいと思います・・・
目標は8万字ぐらいで完成させること・・・
では、どうぞ・・・
それは・・・光太がメモリア・イータに来るよりも2年前の出来事である。
「殿下・・・急いでお逃げを・・・こちらへ!!」
兵士長に急かされ、ミツヤは王宮の廊下を走っていた。
「だが、義母上は!?」
「・・・ご心配には及びません・・・すでに安全な場所に避難していただいております・・・」
「本当のことを言え!!母はどこに行った!?」
「・・・・・・混乱に乗じて・・・敵に捕縛された模様です・・・」
「!?・・・なんだと!?」
「ですから、我が国家の最後の希望でいらっしゃる殿下には生き残って貰わねばなりません・・・ラティア様はまだ幼くていらっしゃいますし、アイリス殿が補佐するにしても政務を取り仕切り国をまとめることはできません。ですから、ミツヤ様・・・せめてあなただけでもお逃げを・・・奴らが来る前に・・・」
「くっ・・・ラティアとアイリスは安全なんだろうな!?」
「無論にございます。現在近隣の小国の山奥へ避難させております。あそこまでは奴らの手も及びますまい!!さあ、お早く・・・脱出通路からお逃げくださいませ・・・」
「・・・まさか、この俺が敗走することになるとは・・・」
「厩舎に鎧と馬と剣を用意してございます・・・ただ緊急ゆえ、兵士と同じものしか準備できず申し訳ありません・・・
「いや・・・よくやってくれた・・・残っている兵士もできるだけ脱出させろ・・・」
「城を明け渡すのですか!?」
「家に家族が待つ兵士が全滅するよりずっとマシだ・・・全員6日間各個潜伏し、7日目に東のティモール砦に集合するよう伝えろ。」
「・・・・・・仰せのままに・・・」
兵士長が本棚を動かす・・・すると裏には通路があり、ミツヤはそこに足を進めた・・・
だが、兵士長は動こうとしない
「なにをしている!早く来い!!」
「殿下・・・私はここで、奴らを食い止めます・・・敵わないまでも時間稼ぎぐらいにはなりましょう・・・」
「馬鹿を言うな!!死ぬ気か!?」
「殿下にお仕えできましたこと・・・我が生最高の誉れでございました。ですから、騎士の最後の務め・・・果たさせてください・・・」
「・・・・・・いいか・・・降伏しても投降しても構わない・・・絶対に生き残れ・・・人質交換でも身代金でも払って必ず助けてやる・・・わかったな!!」
「・・・・・・」
その言葉に返事は無く、兵士長は静かに本棚を元の位置に戻す・・・
静まり返った王宮・・・そこに響く足音・・・
そこで兵士長は自らが見つかることを気にも留めず指笛を鳴らす・・・
すると、彼のもとに一羽のハトが舞い降りた・・・そのハトに彼は小さな手紙を結ぶ。
先程ミツヤに言われた兵士への伝令のメモを・・・連絡係に飛ばせばすでに逃がした兵士全員に伝令されるだろう・・・
ハトが飛び立ち、同時に腰から静かに剣を抜く・・・
近づいてくる足音に兵士長は深呼吸した・・・
「まさか・・・この王宮が・・・4000人以上の兵士が・・・たった4人に・・・」
目の前に姿を現す人影・・・それは信頼する殿下よりも若い男だった・・・
黒い髪に黒い瞳・・・漆黒のスーツに漆黒のドレスローブ・・・
まるで闇に溶け込むかのような姿に対して、手には白銀の剣・・・
「貴殿に問う・・・この国家の王子・・・ミツヤはどこだ?」
戦場だというのにまだ20代前半とは思えぬ落ち着き払った声・・・だが、その瞳はまるで氷のように冷めきっていて、獲物を狩る時の鷹を連想させる。
「貴様にこたえる義理はない!!」
ただ立っているだけで、冷や汗がにじみ出る・・・剣を握った手はすでに汗に塗れていた・・・
だが、気丈に振る舞い、剣を構える。
「やめておけ・・・」
呆れたように目の前の青年は答える・・・
「あなたがもし、一兵卒だというのなら・・・命と時間の無駄だ・・・俺は無意味に命を奪う様な真似はしたくない・・・」
「愚弄するか!?私はこのメモリア王国の兵士長だ!!いかに貴様があの・・・“剣聖”とて・・・」
「・・・なら・・・相手にとって不足なしだ・・・」
「参るぞ!!」
兵士長は両手で剣を握り大きく袈裟に振り下ろす・・・
メモリア剣術の“絶”という技・・・一般の兵士には使えない大技である・・・
だが・・・
「遅い・・・」
気がついた時には目の前に青年はいなかった・・・剣は大きく宙を舞い・・・
「そしてその技には弱点がある・・・」
気がついた時には思い切り顔面に蹴りを入れられていた・・・
「振りが大きい分、失敗した時の隙は大きい・・・」
鼻が熱かった・・・タラタラと液体が流れている感覚がある・・・おそらく鼻血だろう・・・ついてに口の中も切ったらしい・・・
だが、そんなことは関係ない・・・時間を稼がなければ・・・
再び剣を構える・・・一瞬で“絶”を見切られた・・・
ならば・・・もっと上位の技でなければ・・・効かない・・・
瞬時に構えを変更・・・突きで構える・・・
そして体のばねを利用して一気に突く・・・
“疾風(はやて)”という技・・・体まで飛んで行くほどに早く鋭い突き・・・
だったはずなのに・・・
まるで赤子の手を捻るが如く、青年の剣が柔らかくしなやかに剣を絡め捕り・・・威力を一気に消される・・・
まるで剣が生きているかの如く見事すぎる動き・・・
「これが・・・剣聖・・・アリエス・フィンハオラン・・・」
初めて思った・・・絶対勝てないと・・・奇跡が起きても、増援の兵士が来ても・・・
たとえあの剣術の達人であるミツヤ様でさえ・・・相手が彼では・・・
まさに別格・・・・異次元と言ってもいいかもしれない・・・
散々修業を積んで兵士長となり、王国の盾とさえ言われたことさえあるのに・・・
その自分ですら、段違い・・・いや・・・桁違い・・・
「“翠芽(スイガ)”」
気がついた時には相手が袈裟に切り込んできた・・・なんとか両手で剣を持ち、受け止める・・・腕の太さは自分の半分しかないはずなのに・・・尋常でない程に力強い一撃・・・
それを感じた瞬間・・・同じくして、体を貫く痛み・・・
「馬鹿な・・・」
兵士長はその場で床に沈む・・・
一般の兵士では何がおこったがわからないだろう・・・兵士長にすら一瞬しか見えなかった・・・
だが・・・間違いない・・・上からの一撃を受け止めた刹那・・・斜め下から2撃が同時に斬撃された・・・
しかも・・・トリックでもなんでもない・・・果てしなく剣撃のスピードが速いのだ・・・
そう・・・3回の攻撃が同時に着刃してしまうほどに・・・
「勝てる・・・わけがない・・・こんなのに・・・」
絶望感に打ちひしがれた瞬間・・・僅かに希望が見えた・・・
馬の鳴き声と共に走り出す蹄の音・・・小さくしか聞こえないが・・・間違いない・・・
「ミツヤ様・・・ご武運を・・・」
痛みに耐えながら顔の前で十字架を切る。
「・・・・・・逃がしたか・・・安心しろ・・・急所は外した・・・」
「こ・・・殺せ・・・」
その声を青年はまったく無視して、腰へ剣を納刀して静かにその場を立ち去った・・・
小さなため息と一緒に・・・
その様子をみつつ・・・兵士長の意識は静かに途切れていった・・・
はい・・・何の小説か思い出していただけたでしょうか?
というわけで・・・書きたいと思いますので、よろしくお願いします。
楽しみにしていただければ幸い・・・
では、本日はこの辺で・・・
ありがとうございました。
多分覚えてる人いないだろうなぁ・・・
えっとですね・・・
実は私・・・1年前に不特定多数の方にある小説を書く約束をいたしました・・・
本日はその小説に着手したご報告。
さて・・・その約束とはどんな内容だったでしょう・・・
というわけで・・・
本日、冒頭部分だけ公開させていただきたいと思います・・・
目標は8万字ぐらいで完成させること・・・
では、どうぞ・・・
それは・・・光太がメモリア・イータに来るよりも2年前の出来事である。
「殿下・・・急いでお逃げを・・・こちらへ!!」
兵士長に急かされ、ミツヤは王宮の廊下を走っていた。
「だが、義母上は!?」
「・・・ご心配には及びません・・・すでに安全な場所に避難していただいております・・・」
「本当のことを言え!!母はどこに行った!?」
「・・・・・・混乱に乗じて・・・敵に捕縛された模様です・・・」
「!?・・・なんだと!?」
「ですから、我が国家の最後の希望でいらっしゃる殿下には生き残って貰わねばなりません・・・ラティア様はまだ幼くていらっしゃいますし、アイリス殿が補佐するにしても政務を取り仕切り国をまとめることはできません。ですから、ミツヤ様・・・せめてあなただけでもお逃げを・・・奴らが来る前に・・・」
「くっ・・・ラティアとアイリスは安全なんだろうな!?」
「無論にございます。現在近隣の小国の山奥へ避難させております。あそこまでは奴らの手も及びますまい!!さあ、お早く・・・脱出通路からお逃げくださいませ・・・」
「・・・まさか、この俺が敗走することになるとは・・・」
「厩舎に鎧と馬と剣を用意してございます・・・ただ緊急ゆえ、兵士と同じものしか準備できず申し訳ありません・・・
「いや・・・よくやってくれた・・・残っている兵士もできるだけ脱出させろ・・・」
「城を明け渡すのですか!?」
「家に家族が待つ兵士が全滅するよりずっとマシだ・・・全員6日間各個潜伏し、7日目に東のティモール砦に集合するよう伝えろ。」
「・・・・・・仰せのままに・・・」
兵士長が本棚を動かす・・・すると裏には通路があり、ミツヤはそこに足を進めた・・・
だが、兵士長は動こうとしない
「なにをしている!早く来い!!」
「殿下・・・私はここで、奴らを食い止めます・・・敵わないまでも時間稼ぎぐらいにはなりましょう・・・」
「馬鹿を言うな!!死ぬ気か!?」
「殿下にお仕えできましたこと・・・我が生最高の誉れでございました。ですから、騎士の最後の務め・・・果たさせてください・・・」
「・・・・・・いいか・・・降伏しても投降しても構わない・・・絶対に生き残れ・・・人質交換でも身代金でも払って必ず助けてやる・・・わかったな!!」
「・・・・・・」
その言葉に返事は無く、兵士長は静かに本棚を元の位置に戻す・・・
静まり返った王宮・・・そこに響く足音・・・
そこで兵士長は自らが見つかることを気にも留めず指笛を鳴らす・・・
すると、彼のもとに一羽のハトが舞い降りた・・・そのハトに彼は小さな手紙を結ぶ。
先程ミツヤに言われた兵士への伝令のメモを・・・連絡係に飛ばせばすでに逃がした兵士全員に伝令されるだろう・・・
ハトが飛び立ち、同時に腰から静かに剣を抜く・・・
近づいてくる足音に兵士長は深呼吸した・・・
「まさか・・・この王宮が・・・4000人以上の兵士が・・・たった4人に・・・」
目の前に姿を現す人影・・・それは信頼する殿下よりも若い男だった・・・
黒い髪に黒い瞳・・・漆黒のスーツに漆黒のドレスローブ・・・
まるで闇に溶け込むかのような姿に対して、手には白銀の剣・・・
「貴殿に問う・・・この国家の王子・・・ミツヤはどこだ?」
戦場だというのにまだ20代前半とは思えぬ落ち着き払った声・・・だが、その瞳はまるで氷のように冷めきっていて、獲物を狩る時の鷹を連想させる。
「貴様にこたえる義理はない!!」
ただ立っているだけで、冷や汗がにじみ出る・・・剣を握った手はすでに汗に塗れていた・・・
だが、気丈に振る舞い、剣を構える。
「やめておけ・・・」
呆れたように目の前の青年は答える・・・
「あなたがもし、一兵卒だというのなら・・・命と時間の無駄だ・・・俺は無意味に命を奪う様な真似はしたくない・・・」
「愚弄するか!?私はこのメモリア王国の兵士長だ!!いかに貴様があの・・・“剣聖”とて・・・」
「・・・なら・・・相手にとって不足なしだ・・・」
「参るぞ!!」
兵士長は両手で剣を握り大きく袈裟に振り下ろす・・・
メモリア剣術の“絶”という技・・・一般の兵士には使えない大技である・・・
だが・・・
「遅い・・・」
気がついた時には目の前に青年はいなかった・・・剣は大きく宙を舞い・・・
「そしてその技には弱点がある・・・」
気がついた時には思い切り顔面に蹴りを入れられていた・・・
「振りが大きい分、失敗した時の隙は大きい・・・」
鼻が熱かった・・・タラタラと液体が流れている感覚がある・・・おそらく鼻血だろう・・・ついてに口の中も切ったらしい・・・
だが、そんなことは関係ない・・・時間を稼がなければ・・・
再び剣を構える・・・一瞬で“絶”を見切られた・・・
ならば・・・もっと上位の技でなければ・・・効かない・・・
瞬時に構えを変更・・・突きで構える・・・
そして体のばねを利用して一気に突く・・・
“疾風(はやて)”という技・・・体まで飛んで行くほどに早く鋭い突き・・・
だったはずなのに・・・
まるで赤子の手を捻るが如く、青年の剣が柔らかくしなやかに剣を絡め捕り・・・威力を一気に消される・・・
まるで剣が生きているかの如く見事すぎる動き・・・
「これが・・・剣聖・・・アリエス・フィンハオラン・・・」
初めて思った・・・絶対勝てないと・・・奇跡が起きても、増援の兵士が来ても・・・
たとえあの剣術の達人であるミツヤ様でさえ・・・相手が彼では・・・
まさに別格・・・・異次元と言ってもいいかもしれない・・・
散々修業を積んで兵士長となり、王国の盾とさえ言われたことさえあるのに・・・
その自分ですら、段違い・・・いや・・・桁違い・・・
「“翠芽(スイガ)”」
気がついた時には相手が袈裟に切り込んできた・・・なんとか両手で剣を持ち、受け止める・・・腕の太さは自分の半分しかないはずなのに・・・尋常でない程に力強い一撃・・・
それを感じた瞬間・・・同じくして、体を貫く痛み・・・
「馬鹿な・・・」
兵士長はその場で床に沈む・・・
一般の兵士では何がおこったがわからないだろう・・・兵士長にすら一瞬しか見えなかった・・・
だが・・・間違いない・・・上からの一撃を受け止めた刹那・・・斜め下から2撃が同時に斬撃された・・・
しかも・・・トリックでもなんでもない・・・果てしなく剣撃のスピードが速いのだ・・・
そう・・・3回の攻撃が同時に着刃してしまうほどに・・・
「勝てる・・・わけがない・・・こんなのに・・・」
絶望感に打ちひしがれた瞬間・・・僅かに希望が見えた・・・
馬の鳴き声と共に走り出す蹄の音・・・小さくしか聞こえないが・・・間違いない・・・
「ミツヤ様・・・ご武運を・・・」
痛みに耐えながら顔の前で十字架を切る。
「・・・・・・逃がしたか・・・安心しろ・・・急所は外した・・・」
「こ・・・殺せ・・・」
その声を青年はまったく無視して、腰へ剣を納刀して静かにその場を立ち去った・・・
小さなため息と一緒に・・・
その様子をみつつ・・・兵士長の意識は静かに途切れていった・・・
はい・・・何の小説か思い出していただけたでしょうか?
というわけで・・・書きたいと思いますので、よろしくお願いします。
楽しみにしていただければ幸い・・・
では、本日はこの辺で・・・
ありがとうございました。
by shauna-crown
| 2011-03-02 01:12
| 雑記
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